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7月の診療日・休診日
透明なマウスピース型矯正治療(アライナー治療)と、ワイヤーを用いた矯正治療(ワイヤー治療)の違い(利点・欠点)
透明なマウスピース型矯正治療(アライナー治療)と、ワイヤーを用いた矯正治療(ワイヤー治療)の違い(利点・欠点)
最近、ワイヤーを用いた矯正治療に加えて、歯全体に透明装置をかぶせるアライナー治療が広がってきました。アライナー治療は十分な矯正治療のトレーニングを受けていない歯医者がこの治療を行うことも多く、いろいろな問題も起きています。矯正歯科治療を始める場合には、それぞれの治療を良い点、考慮するべき点などを十分知ったうえで、慎重に選ぶことをお勧めします。
1.審美性(人から見た感じ)について
ワイヤー治療は一般的に金属製のワイヤーと歯につけるブラケットで歯並びを改善するため、半透明のアライナー装置より目立つでしょう。しかし最近ではワイヤーもブラケットも白色のものがあり、ワイヤー治療でも比較的目立たない治療も可能となってきています。
2.治療中の装置の違和感について
矯正治療中はどちらの装置も違和感を生じることがあります。
ワイヤー治療では、はじめのうち、違和感や、歯に重い感じや痛みが起こることもありますが、1週間程度で慣れてきます。
一方アライナー治療では、新しいアライナー装置に交換する度に(一般的に1週間~2週間間隔)、一時的に歯が締め付けられるような違和感が起こることがあります。
3.歯磨きなどの口腔衛生について
ワイヤー治療では歯に装置がつくため、歯みがきをしっかりしなくてはいけません。
慣れるまで歯みがきは大変ですが、この習慣が一度身につけば、一生美しい歯を保てるという利点もあります。
一方、アライナー治療では、装置を外せば歯を直接磨けるため、一見むし歯のリスクは少ないと思われていますが、食後に歯みがきをしないで装置をつけると、かえって装置の中でむし歯菌が増えてしまいます。必ず歯みがきをして装置をつけるようにしましょう。
4.治療上の特徴について
ワイヤー治療では、1本1本の歯や上下の歯の関係を同時に改善できるため、ほぼ理想的な歯並びを得ることができます。そのため、治療後も安定した歯並びが長持ちします。
一方、アライナー治療では、歯を全体で改善するため、1本1本の歯を動かすのが難しい方法です。また、装置をつける時間は20時間以上必要で、装置と歯が浮かないよう特別な器具を使います。一定時間、装置が歯にしっかり入っていないと十分な効果が得られないため、頻繁に装置を取り外しする場合は、避けたほうが良いでしょう。
5.治療期間について
ワイヤー治療では歯を1本1本丁寧に動かすため、一般的に約2年から2年半程度かかります。
一方、アライナー矯正では状況によっては、1年半から2年程度で改善する場合もありますが、歯を抜く治療などでは、かえって治療期間がかかる場合もあります。
6.治療前の検査の重要性について
ワイヤー治療もアライナー治療も適切な治療を行うためには、治療前にしっかりした検査が必要です。一般的に頭部のレントゲンや歯の全体のレントゲン、そして歯の模型、顔や歯の写真などが最低必要です。これらを用いて、顎やかみ合わせの不調和、個々の歯の状態、口元の出方などを総合的に分析してから治療を行います。
[まとめ]
矯正歯科専門開業医は、歯の変化を治療後もできるだけ少なくする工夫をしています。
そのためにはしっかりした検査、方針を立てて、患者さんと共に治療を行うよう最善を尽くしています。ワイヤー治療もアライナー治療も、いずれもしっかりした治療技術を持った矯正医に一度相談することをお勧めします。
日本臨床矯正歯科学会神奈川支部より引用